忍者ブログ
シナリオなどの製作日記
[72] [71] [70] [69] [68] [67] [66] [65] [64] [63] [62]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



ついにきました、ベニィさんの新作

-『デクドール・インプレティス 3話まで』- 感想

そろそろグランプリの選考をしようかというこの時期に、アナタはなんというシナリオを…!



ベニヤ板さんのおくる、ほのぼの系オリロボシナリオ。
デクドールというロボット規格のインプレティスが主役という、デトネイター・オーガンから続く分かりやすいタイトルです。
「ゆるゆる作った」というフレーズどおり、氏にしては意外にも(?)ゆるゆるな感じが前面に出ていますが、騙されちゃいけない。
製作者視点で見たら決して「ゆるゆる」では作れません。「きりきり」です。

・スタート
いきなり流れたのはSRC本体側に入れた「Opening.mid」。
おや? とは思いましたが、この辺の指定に決して抜かりないベニィさんのこと、不具合だと思います。二回目以降はなかったわけですし。

#第一話

・導入部
いきなりオサレなタイトルバックが!
この辺、ペルソナシリーズで良く見た動きだけど、ちゃんと形になっているのが恐ろしい。
そして場面はセピアで彩られた、超お金持ちの『凱零家』の過去回想シーンから。
主人公は孤児院から養子に引き取られた高校生、『凱零麻由』。凱零ってどう読むの?と思ったけど、次話で振り仮名が。『カイゼロ』と読むらしいです。
凱零家は家柄も良くお金持ち、家の皆さんも良くしてくれて幸せのはずですが……なんかちょっとズレてたりします。スケール感とか、その他もろもろとかね。
そんな家が居心地悪く、ちょっと後ろめたい気持ちで飛び出した麻由の高校生活からスタート。
ココでのポイントは、相変わらずの会話インクルードでしょう。
SRCには珍しく、中央スペースをふんだんに利用したノベルゲーのようなインターフェースで、読みやすい文字、文字が一括表示されるため軽量化(しかも太文字とか対応)、バックログが標準装備だったりと相変わらずのクオリティ。
その分、ウィンドゥは黒一色とやや寂しげ……と思いきや、感覚の目で良く見てみろ。メッシュになっててうっすら背景が透過され、場面によってはほんのりエフェクトが入っているのだ!!
ブラボー、オー、ブラボーッ!!!
この人、これだけで食ってけると思うんだ(´・ω・`)
さてストーリーはというと、飛び出してきた凱零家の悪夢に定期的にうなされる麻由が、親友・葵に励まされながらも、学校生活を送る……と思いきや、そこには夢の中のメイドの姿が。
メイドをやりすごそうとすると、今度は凱零解放委員会の田代とかいう、いかにも変質者っぽい名前の変質者に問いただされ、こちらも何とかやり過ごそうとするんだけど、メイドがそれを許さなかった!
……てな感じで戦闘に入ります。
いやぁ、これまでの氏の作風とは本当に変わっていて、特に主人公・麻由のマイペースっぷりは見ていて面白いですね。


・戦闘パート
今回戦うのは『デクドール』というロボットで、高校での必修科目という、車の免許よりも身近なマスィーンです。
この辺のアバウトさもベニィさんらしくありません。モンスター魔導機とはエライ違いだっ
そして麻由専用に作られたのが、凱零家の技術の結晶、それが女性に縁が無かった男性から女性への精一杯の心尽くした一品、デクドール・インプレティスなのだ!!(本編より抜粋
マップチップを使っての格納庫再現とか、おかしいでしょう。
じゃなくて、それで出てきた機体が、おかしいでしょう!?
フェアリオンくらいかな、と思ったけどヴァルシオーネの上行ってましたw
帽子から魔法の杖が出てきたりするしね!
流石はベニィさんだ……
戦闘自体はこれまたベニィさんらしくなく、超ゆるゆるです。全武器P属性だったりするし。
が、只の無双にならないように、チェインシステムという連続攻撃システムが搭載され、考える幅をちゃんと与えてくれます。
しかもこのシステム、見た目に超☆オサレです。
桜霞様の黒ブレードよろしくしっかりアニメ指定された魔法の杖と良く合うインターフェースです。
ただし一騎打ちよろしく全ての武器にK属性が付いているので、位置取りを考えなくてはならなく、独特の味がありますね。
というわけで、ボスの田代さんを含め、終始優勢状態を維持したまま戦闘終了。
その他細かいところですが、
・エライ勢いでレベルが上がる
・敵を倒すと脱出装置が作動する
・主人公が「ひらめき」を持っている
など、およそらしくない仕様がふんだんに採用されており、とても@灯やラップと同じ作者とは思えない難易度と世界観です。
あ、そういえばこのシナリオの略称がまだ決まってませんね。
デクドールもインプレティスも本編の単語なので、ココから先は『デンプレ(仮)』で行こうと思います。

・エピローグ
初戦闘にも関わらずハイレベルな戦闘が出来たのは、専属メイド・アリスの真心込めた睡眠学習の効果だったことが発覚。
どいつもコイツもマイペース過ぎる……っていうかアリスっていつ寝てるの? っていうのは聞いちゃいけないんでしょうね
さらに次回予告が入るという仕様。この予告画面がまた超☆オサレで、世界観構築に一役買ってるんだぜ!
内容が予告になってないんじゃ? っていうのは聞いちゃいけないんでしょうね

・インターミッション
相変わらずユニット改造が出来ないベニィさんのシナリオ。
とりあえずマシンガンを一丁購入して次の話へGO!


#第二話

・導入部
タイトルバックの前に、前回までのあらすじが!
ぶっちゃけ、あらすじになってないんだけどこれがまた「ゆるゆる」で良い。
っていうかいいなぁ、何だか麻由に傾倒しはじめた自分がいる。
さてストーリーですが、町のみんなに迷惑をかけられないと、凱零一家で行われる天下一武道会に参加することが決定した麻由。
そんな麻由を尻目に町の方では狂気団体・解放委員会と謎のデクドール・インプレティスの話題で持ちきり。
インプレティスはゴシップ的な要素を含めて、アイドル扱いされている感じです。
……ザンボット、もとい@灯よろしく、町民に責め立てられる欝展開を身構えていた僕がここにいるのは気のせいでしょうか。
変わって解放委員会サイドですが、降格させられた田代に代わり、エリートコースまっしぐらの栗生が登場。
つーか、サラリー社会だったのか、解放委員会……orz
その栗生ですが、これまたキャラが強烈です。動の田代に静の栗生、一見すると真逆のようですが、進むベクトルは同じ。巨悪の手先です。
ちなみにこの解放委員会、個人的にRTT氏のテイストが入っているようにも思えるのは、アイコンのせいでしょうか?

・戦闘パート
戦闘パートの入り方も凄い。
町民に石を投げられたことに恐怖を覚えた栗生が、デクドール『スケア』にて侵略行動を開始し、それに立ち向かうのが、バイトでデクドールを動かしていた葵ちゃんと鷹田くんというお話。
えええーっ!?
しかも出撃用ハッチの上に鷹田くんが乗っているため、インプレティスは発進できません。
バイトVS正社員じゃあ色々とお話にならないということで、鷹田くんを1マス上に上げ、インプレティス発進準備完了!

・麻由「アリスさん、今なら大丈夫です……!」
うん。ハッチの上にはユニット居ないしね。
・アリス「いいえ、ハッチの動く先にデクドールが存在します。あれではハッチを開く事は出来ません」
おいぃ!? マジで言ってる!?
何この展開? こんなシナリオ見たことないんですけど(汗
俺自身何を言ってるのか分からないけど、分からない人は是非、プレイしてみて鷹田くんを1マス上に移動させてみてください。

で、このままじゃ主人公が来るまで持たないということで、鷹田君をハッチの一マス左に移動
・麻由「アリスさん、今なら大丈夫なような;気がするんですけど……」
うん。今度はハッチ上にも動く先にもユニット居ないしね
・アリス「駄目です、発進した先にデクドールが存在します。これでは出撃した途端に、接触してしまう恐れがあります」
……
人を掌の上で転がすのがそんなに楽しいかー!!(サウンド クラッシュ)
流石は異端の人だ!! そこにしびれる憧れr
・麻由「早くどいてくれないかなぁ…」
ホントだよ(怒)

2ターンも無駄にしたので、正直戦闘はキツキツ。
特に鷹田くんは当てられないし当ててもタカが知れているのでマジでキツい。
やべぇ、このままじゃ栗生の思い通りじゃん、と思ったので、思い切ってハッチの上5マスくらいまで退避。
デクドール・インプレティス、推して参る!!
戦闘は、栗生は田代と殆ど変わらないので……言わなくてもいいよね、ってくらいです。

・エピローグ
葵ちゃんをハメた罰として、ケーキを奢らされることになった鷹田くん。
二万円を犠牲にしてでも回避したい鉄拳制裁って、葵は格闘技か何かやってるとか、都市伝説になってたりしてるのでしょうか。
で、お約束の展開に。アレですね、別腹って、超高効率炭水化物分解装置ってことですね。
マイペースながら鷹田くんのサイフやアリスへのお土産などの気遣いを持つ麻由が良い感じです。
そして予告にならない次回予告を経て、2話終了―
余談ですが、ケーキ屋の名前が旧作に関係あったりしましたね。
そういえば今マガジンで『エデンの檻』っていう連載があったような気がします……関係、無いですよね?(汗

・インターミッション
マシンガン役に立たなかったので、ビームガンと装甲とENタンクを買って、インプレティスに装備させる。
アルバイターは……もうちっと待ってて、って感じです。


#第三話
・導入部
この勢いで3話まで出来ているのが恐ろしい。出し惜しみなし、何て人だ…!
冒頭は次回予告とタイトル表示から。もう既にデンプレ(仮)の世界観をかもし出しているのもスゲェ。
カイゼロランドに行くまでは、町に迷惑をかけるわけには行かないと、アルバイターを募集したメイド・アリス。
とりあえず九條麻由を凱零麻由の影武者に仕立てる、という戦法で来たようだ。もうバレバレw
場面は解放委員会サイドへ。降格させられた2人に変わって現れたのは、紫暮という凱零家の関係者。
笑顔の裏に一物もニ物も抱えていそうな人物です。
あ、ここで思ったのですが、カイゼロって、カイジ+ゼロなのでは……?
だとすると、とんでもない場所に連れて行かれて、神経すり減らす勝負が待ち受けてそうな予感です

・戦闘パート
ヒラに降格された影響か、栗生と田代の装備が(´・ω・`)なことになっています。
また、紫暮は様子見のため動かなく、他の委員もやる気がないので戦闘は楽勝ですね。
但し、一直線に麻由を狙ってくるかと思った若手芸人コンビは、意外にも後ろの二人を狙ってくるので要注意。
やはりアルバイターたるもの、隅っこのほうで定時になるまで我慢強く待っていたほうが身のためのようです。

・エピローグ
ヒラでは相手にならなかったので、今度は真打・紫暮が相手に
お願いだから「ソウルスフィア」はやめてぇ~orz
あれはもう俺の中で5本の指に入る最強のバリアなんだからっ!
やはりというか、最強バリアを破れないため追い詰められるインプレティス。
余剰ポイントを使えない今の状態ではまずいっ、と思いきや……帽子を? 被って? 必殺技。
……これはスゲェアニメだっ!
帽子がひねりながら落ちるさまや、ユニットアイコン一枚でバク転・画面奥移動、突撃を再現するとかとにかく異常。
しかも攻撃方法はまさかの『めがっさ私の拳』。好きだなぁ、ベニイさんw
流石の紫暮もたまらず後退、しかし以前ピンチは変わらずと思ったら…
今度は白猫登場。もう十分だろ…! 何でそんなサプライズを用意しておくんだ…!
不幸を呼ぶ白猫縮退砲を受け辛くも逃亡する紫暮。そんなことがあったとは露知らず、相変わらずマイペースの麻由。
しかし孤児院だとか、拳だとか、色々と意味がありそうな過去が出てきたあたりで次回予告へ。

※公開分はここまで


良かったところ
●「ゆるゆる」を表現するために練りこまれた世界観
キャラがゆるゆるなだけでなく、演出や会話インクルード、戦闘バランスやシステムなど細部にわたって練りこまれています。
また氏の他シナリオに比べ、「オサレ」さを前面に押し出してきた感があり、そういうのが大好きな自分には非常に好感触です。
●妥協を許さないクオリティ
相変わらずというか、細かいところまで手を抜いてないなーと思いました。
自分、大抵のシナリオをプレイするとき製作者視点でレビューするのですが、ここまでやられると、もう考えるのは止めた。


気になった点
序盤だからか、インパクトが強いからか、細部まで手を抜いてないからか、特にないんですよねぇ…
しいて言えば、恋愛要素とか無く、キャラが高校生の割りにしっかりしすぎかな……ってこれは毎度のベニイさんの作風であり、むしろ僕ぁコレが楽しみで氏の作品をプレイしていてるしなぁ…
後はチェインシステムがコンボ組み立てしにくいところとか……でもコレ、後半で「引」属性武器とか出てきて解消しそうだし……
というわけで、もう幾つか報告されていると思いますが、僕の環境での不具合報告をさせてもらいます↓
●不具合報告
・初回時のみ本体側のOpening.midが流れました。(現在は不具合は確認できず)
・1話回想時、麻由「見てないで助けてください」のセリフで麻由が上下に表示。隼人「ふ、じゃあ決まりだな」と同じ現象
・脱字 鷹田「あ、でも、バイト代が2万から、;一応、限度額はそれということで」
……こんなものか。致命的なものは確認されず、初回でどれだけのクオリティ(ry


ここを推したい!という点
●ガラリと変わった作風
というか、何でしょうね……ベニィさんて、こういうシナリオも作れるんだぁ、とか思ってたんですが、
3話までプレイすると、むしろコイツは第二の能力シアーハートアタックなのでは?
みたいな気がしてきて、ほのぼのよりもむしろ戦慄に近いものを感じるのは僕が汚れてしまっているからなのでしょうか・・?


まとめ
独自の雰囲気をかもしだしたシナリオで面白い!
とまあこれが第一印象なのですが、それ以外にも
・雰囲気を支えるためのオプション作り
・わざと荒唐無稽かつゆるゆるに組上げられたキャラ造詣と世界観
・ただの無双で終わらせないための戦闘システム
・え? これどうやるの? みたいなテクニックetc…
その他あげればきりがないくらい、「作りこまれている!」と感じさせる恐るべきクオリティだと思いました。
またこれまでのベニヤ板さんの作品と比較し、色々な面でベクトルチェンジが行われており、
氏の過去作を知っている人ならば、ガラリと変わった作風と、相変わらずの完成度の両方を味わえるかと思います。
どうしよう、コレ完結したら、僕の中で@灯を超えてしまいそうな予感(汗
ともかく、終始表情筋がゆるゆるになったまま読み進めれるストーリーであり、
そういうのを求めてる方には、是非ともオススメしたい、今後の更新に期待特大のシナリオです。
 

PR



コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


トラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新CM
[01/05 愚者愚者]
[10/06 エル]
[10/06 みならい@]
[09/10 エル]
[09/09 みならい@]
最新記事
最新TB
プロフィール
HN:
No Name Ninja
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]